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2026

こどもファッションプロジェクト 〜みんなの個性で作り出す、たったひとつのファッションショー〜

ファッション

2026/10/22

こどもファッションプロジェクト

〜みんなの個性で作り出す、たったひとつのファッションショー〜

実施概要
ファッションデザイナーのコシノヒロコさんが監修し、各分野の第一線で活躍するプロの指導のもとファッションの世界を体験するプログラム。ショーでモデルが身につけるアクセサリーを制作する〈ファッションアカデミー〉と、モデルや制作スタッフなど6つのコースに分かれてショーを作り上げる〈ファッションショー&バックヤード体験プログラム〉。この2つのプログラムを通して成長していく子供たちの姿をレポートします。

■取材日・講習内容・取材場所
5月31日(日)モデルオーディション @東京都現代美術館 
6月7日(日)ファッションアカデミー @文化服装学院 
6月28日(日)ヘアトライ&フィッティング @ヒロココシノ本社
7月4日(土)リハーサル&ファッションショー本番 @東京都現代美術館
5月31日(日) 
バックヤード体験コースの子供たちも大活躍!ついに始まったモデルオーディション

2回目の講習日となるこの日は、モデルコースのオーディションが開催されました。半日かけて進行するオーディションを支えたのは、イベントプロデューサー、スチールカメラ、動画撮影、スタイリスト各コースの子供たちです。

参加者たちを控え室に通したり、フィッティングルームに案内したりと、進行表を片手に大忙しだったのは、イベントプロデューサーコースの子供たち。3名ずつウォーキングを行うオーディション会場では、マイクを持って動きの流れを説明するなど、進行をしっかりとサポートしました。「審査員が書類に何か書き込んでいる時は、まだ次の合図を出さないようにね」など、講師の半田誠さんがアドバイスします。

オーディションの様子を、講師の桑野徹さんとZIGENさんのレクチャーを受けながら記録していたのは、動画撮影コースとスチールカメラコースの子供たち。最初は「カメラのレンズが重たくて、持っているだけでも大変!」と話していたスチールカメラコースの子供たちも、堂々としたウォーキングを披露する参加者の姿に引き込まれるように、夢中でシャッターを押し続けていました。

数多くのモデルに衣装を着せていたのは、スタイリストコースの子供たち。HIROKO KOSHINOの貴重なコレクションを前に、「普段着ている服よりも構造が難しい」と最初は戸惑っていた子供たちでしたが、スタイリストコース講師の藤崎コウイチさんやスタッフにアドバイスをもらい、丁寧に作業をしていました。
まだ少し緊張しながらも、自分の持ち場で真剣に取り組んでいた子供たち。この場所で本番を迎える1ヶ月後には、みんなどんな表情をしているでしょうか?

6月7日(日)
モデルと衣装を輝かせるための、オリジナルアクセサリーを作ろう!

ファッションショーでモデルが身につけるアクセサリーを制作する〈ファッションアカデミー〉では、講師の大工原睦さんのもと、アクセサリーの歴史や制作に使う道具を学びながら、自分が作りたいデザインを考えてきました。

この日は、プログラムの最終日。文化服装学院ジュエリーデザイン科の教室には、美しい加工のリボンやボタン、革素材や金属類などが置かれ、子供たちは素材を選びながらアクセサリーの完成に向けて作業をしていきます。金属や革を削る・穴を開けるなどの専門的な工具を使う金工実習室では、サポートスタッフが見守る中で金槌や糸鋸のような本格的な道具にも果敢にチャレンジ! 金属のプレートに糸鋸で細かく穴を開けた男の子が「あードキドキした」と言うと、講師の大工原さんが「勇気があるね! 集中して上手にできていたよ」と声をかけていました。

「金属の角が布に引っかかると衣装が傷つくから、尖った角にはやすりをかけようね」など、サポートスタッフのアドバイスをもとに、子供たちは真剣に作業を続けます。最後は、自分が担当する衣装と合わせて細部をチェック。「お客さんが客席から見た時に、ちゃんと目立つかな?」と、離れた場所から確認する子供もいました。

最後は、コシノヒロコさんと小篠ゆまさんが順番にチェックしていきます。どんな発想でアクセサリーを作ったのか、衣装の魅力を引き立たせるために何を工夫したのか、自分の言葉で伝える子供たちに、「このパーツはどうやって作ったの?」「色の組み合わせが素敵」とコシノさんもびっくり。「3日間楽しかった人!」の声に、全員が手を挙げていました。

6月28日(日)
本番まであと一週間。衣装とヘアメイクの最終チェックへ

この日は、各コースの参加者がHIROKO KOSHINOの本社に集まり、ファッションショーの本番に向けて、衣装とヘアメイクの最終調整を行いました。6月7日、資生堂が運営するスクールで技術を学んでいたヘアメイクコースの子供たちは、この日もヘアメイクアップアーティストで講師の鈴木節子さんと原田忠さんの隣に立ち、ヘアピンを渡したり編み込みを手伝ったりとスムーズなアシストを行います。

6月14日にプロモデルである清水沙也佳さんと松川エミリアさんのレクチャーを受けたモデルコースの子供たちは、ファッション雑誌を開いて「こんなふうに腕を上げてみるのはどうかな?」とポージングの研究をしていました。ヘアメイクと衣装の最終チェックが行われる会議室では、その堂々としたウォーキングに、小篠ゆまさんが「たくさん練習したのかな? みんなすごく上手!」と拍手を送ります。

この日、特に大忙しだったのは、スタイリストコースの子供たち。コシノさんのチェックに合わせてスタイリングや小物が変更になると、サイズ違いの靴を準備したり、モデルの身長に合わせて衣装を調整したりと、藤崎さんのサポートを受けながらてきぱきと動きます。〈ファッションアカデミー〉に参加した子供たちも、制作したアクセサリーがモデルの身長や最終的なコーディネートに合うように調整していました。

動画撮影コースでは、コシノさんに独占インタビューを行いました。「どんなファッションショーになりそうですか?」という質問に、「子供たちの持っているセンスが自然と溢れ出てくる、大人には作れないファッションショーになると思います」と笑顔で答えるコシノさん。ついに1週間後、本番がやってきます。

7月4日(土)
それぞれの発想と技術を持ち寄って、全員で作り上げたファッションショー

いよいよ本番! 東京都現代美術館に、全コースの子供たちが集まりました。講師のアドバイスを受けながらメイクのアシストや衣装のフィッティングを行うのは、ヘアメイク、スタイリストコースの子供たち。ドライヤーで髪をブローしたり、衣装に合わせて靴を選んだりと、その動きには迷いがなく、自分たちの手で美しく変身していくモデルの姿を嬉しそうに見つめていました。その合間、モデルコースの子供たちは、長い距離のランウェイを本番でどのように歩くのか、半田さんと最終確認をします。

美術館の閉館時間になると、メインエントランスでは会場の設営が始まりました。ステージや照明機材が組まれ、ランウェイの両側に客席が準備された頃、バックヤードではコシノヒロコさんによるモデルたちの最終チェックが行われていました。「もう一枚靴下を履かせましょう」「スカートが落ちてこないようにもう少し締めて」と、ギリギリまで細かい調整を行います。

観客が入り会場が賑やかになると、子供たちもステージ裏へ移動。イベントプロデューサーコースの子供たちが、「ランウェイを歩く順に並んでいますか?」とひとりずつ名前と番号を確認している間、モデルの子供たちは、仲間同士で「楽しもう!」と励まし合ったり、ポージングを何度も確認したりと、それぞれの方法で緊張と向き合っていました。

ファッションショーがついにスタート! 大きな音楽と会場の熱気がステージ裏にも届き、子供も大人も一体となって拍手と声援でショーの開幕を盛り上げます。HIROKO KOSHINOのコレクションを纏い、ひとりずつランウェイを歩いていくモデルたち。観客の視線を集めるその姿は、自信に満ち溢れていました。その様子を記録に残すため、動画撮影とスチールカメラコースの子供たちが客席側から撮影します。

ステージ裏では、ランウェイから戻ってきたモデルひとりひとりを、「お疲れさま!」と全員で迎え入れます。「緊張したー」「もう一回歩きたい!」など、その表情は達成感でいっぱい。最後は、ファッションショーを支えていたバックヤードの子供たちも含めて全員でランウェイを歩き、この日一番の大きな拍手でフィナーレを迎えました。

控室に戻った子供たちは、「終わっちゃったね」「来年も参加したい」と、緊張から解き放たれた晴れやかな表情をしていました。コシノヒロコさんが最後に「みなさん最後までやり遂げましたね。このことに自信を持って、将来はぜひ、ファッションやクリエイティブなお仕事を目指してくださいね」と伝えると、子供たちは大きな笑顔で「はい!」と答えていました。

5月中旬から7月下旬まで行われた「こどもファッションプロジェクト」。華々しくランウェイを歩く子供たちも、モデルをプロの技術で輝かせるバックヤードの子供たちも、全員が夢中になり、思い切り自分を表現したことでファッションショーは見事に成功しました。特別な環境に飛び込み、プロの仕事ぶりを体験することで見つけた、自分の好きなことと、みんなで作り上げる喜び。それは、今後子供たちが新しい挑戦をする時の支えになってくれるでしょう。

取材・文:安達友絵
撮影:増永彩子[6/7、7/4]
一部写真提供:安達友絵[5/31、6/28]

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